ドイツ連邦内閣は、過剰な施肥を規制し地下水の硝酸塩汚染の抑制を図る肥料令の改正を承認した。改正案では、施肥の停止期間が延長され、地下水から施肥区域までの距離も広げられた。また、バイオガス施設で出る発酵残渣を、窒素排出量(上限は1haあたり170kg)の算定に加えることになった。各州には、硝酸塩やリン酸塩の汚染が激しい地域で追加措置を行うことが義務付けられている。一方、連邦農業省の下でまとめられた施策パッケージの中にも、農業において環境に配慮した無駄のない施肥を目指した改正肥料法が含まれている。肥料法改正の中心は、肥料・家畜飼料の量と農場の生産物とを計算し、窒素による土壌汚染を測定する原材料バランスシートで、これにより農家は肥料の量を調整することになる。肥料法と肥料令の改正案はまだ連邦参議院の可決が必要である。硝酸塩に関する最新の報告では、2012~2014年の地下水の測定地のうちほぼ3分の1から高濃度の硝酸塩が検出されたとして、過剰な窒素肥料の投入を問題として指摘している。