カナダ環境・気候変動省は、環境と経済の両立を目指し、大規模プロジェクト審査規則の改正案を発表した。政府は、2012年改正の現行環境法令は国民の信頼を損ない環境と社会を脅かしていると認識し、今後10年間に計画のある総額5000億ドル超の多数の大規模プロジェクトに対応するための新規則が不可欠であるとして、2016年1月プロジェクト審査のための暫定原則を決め、その後先住民、企業、州・準州、環境団体その他の国民の意見をもとに改正案を作成した。改正案は、1)先住民の権利を認識し国民の参加機会を増やすこと、2)科学と先住民の伝統的知識に基づき決定を行うこと、3)環境への影響のほか健康、社会、経済、先住民社会、性差への影響も勘案して総合的、長期的な評価を行うこと、4)多数の部局にわたる煩雑な手続きを一本化すること、5)審査対象となる環境リスクのあるプロジェクトを特定するための要件リストを改訂すること、6)予算を増額し関係部局の科学的能力を向上させること等を内容としている。