オランダ社会基盤・水管理省は、オランダの船舶がパラフィンワックスを含むタンク洗浄水を海洋に投棄しないことを取り決めた協定に、国内の運送業者、荷主、ロッテルダム港湾局など海運関連部門と共に署名した。ろうそくのろうなどのパラフィンワックス残留物を含む洗浄廃水が海洋に投棄されると、海岸を汚染し、その浄化に費用がかかるだけでなく、海洋生物や鳥類が誤って飲み込むこともある。今回の協定はオランダの海洋を守るだけでなく、国際的な規制を後押しする意味もある。オランダはパラフィンワックスなどの海洋投棄を減らすための取組を続けてきており、2017年にはオランダの提案により北海などの海域での規制強化を、173か国の加盟国を持つ国際海事機関(IMO)が決定した。この規則の世界全体への発効は早くても2021年になるため、今回の合意をオランダは他国のモデルになるものとしてIMOに提出する。オランダに続き、イギリスやスウェーデンも、国際規制の強化を見越して対策を始める意向を示している。