国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は、2018年5月のボン気候変動会議期間中のイベントで、地域協力センター(RCC)がパリ協定の実施のため、パートナー機関と共に進めている取組を報告した。RCCは、能力構築・技術支援・ネットワーク形成を通じて各国の気候行動を支援するUNFCCCの機関で、トーゴ、ウガンダ、タイ、パナマ、グレナダの5か所に設置されている。活動の中核はクリーン開発メカニズム(CDM)を現場で推進することにあるが、2015年のパリ協定採択以降は、国別約束(NDC)の実施支援にも範囲を広げている。重点的な取組として、気候変動対策に必要な資金の確保がある。UNFCCCは、RCCを通じてパリ協定の目標に合致する融資を促し、途上国が資金を利用するための能力構築を行っている。一方、排出削減と投資へのインセンティブとして炭素価格付けと市場手法に着目した取組もある。タイのRCCバンコクはASEAN(東南アジア諸国連合)と連携して、各国の施策推進につながる市場手法を探るとともに、地域炭素市場に向けた協力への基盤を構築している。