気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、2018年7月23~28日に中国の甘粛省蘭州市で「変化する気候下での海洋・雪氷圏に関するIPCC特別報告書(SROCC)」の作成に向けた第3回代表執筆者会合を開催する。35以上の国から100名を超える科学者が集まる同会合では、一次ドラフトに対する専門家レビューで得られたコメントを基に各章の修正等を行うという。この後、二次ドラフトに対する専門家・政府レビューを経て、2019年9月には報告書が完成する予定である。同報告書には、気候変動の自然科学的根拠、海洋や沿岸、極地、山地の生態系とこれらに依存している人間社会が受ける気候変動の影響、及び気候変動に対する生態系の脆弱性と適応力についての分析とともに、気候変動に強い開発を実現するための選択肢が盛り込まれるという。IPCCのバレット副議長は、「この報告書は、我々が目の当たりにしている変化や、気候変動によって生じ得る生命・生活上のリスクについて、政策立案者に理解を深めてもらうのに役立つと自負している」と語る。