ドイツ連邦環境省(BMU)は、「生態系と生物多様性の経済学(TEEB)」のドイツ版研究「ドイツ自然資本」の最終報告書を公表した。これは生態系や生物多様性の価値を経済的観点から可視化するもので、生態系を損なうことは重大な経済的損害になることを示している。例えばドイツでは、1)昆虫の受粉に(したがってその生息地保全に)依存する作物は年間11億ユーロに相当する。2)氾濫原の再自然化は経済的にも重要である。2002年のエルベ、ドナウ川流域の洪水では約110億ユーロの経済的被害が生じたが、氾濫原の再生が進められ2013年の洪水では損害額は70億ユーロにまで減少した。遊水地として氾濫原を再生・再自然化することは、洪水対策、レクリエーション、自然保護、水質保護にも役立ち、再自然化の投資コストに対し3倍の利益が得られる。3)牧草地の維持は生物多様性のためだけでなく、気候や水質の保護、土壌流出防止にも役立つ。牧草地を農地へと転換することは、1ヘクタール当たり年間440〜3000ユーロの社会的コストになると見積もられる。
情報源 | ドイツ連邦環境省(BMU)プレスリリース |
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国・地域 | ドイツ |
機関 | ドイツ連邦環境省(BMU) |
分野 | 自然環境 |
キーワード | 生物多様性 | 生態系 | ドイツ連邦環境省 | 自然保護 | 洪水 | 氾濫原 | レクリエーション | 洪水対策 | 遊水地 | 水質保護 |
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