世界経済フォーラム(WEF)は、ダボス会議に先立って「グローバルリスク報告書2019年版」を公表し、今後10年間に起こりうる世界的なリスクとしては、影響・被害の大きさ及び発生確率の高さから環境関連のリスクが最も重大だと報告した。この見方は過去2年間の傾向をなぞるものだという。同報告書は、WEFのネットワークを構成する官民両部門、学界、NGO等の約1000人の意思決定者を対象に毎年実施されている調査に基づくものである。この中で回答者らは、30項目の世界的なリスクについて5段階で順位付けを行っている。この結果、環境関連のリスクは、発生確率では上位5項目中の3つ、影響度では同4つを占めた。特に、「気候変動による極端気象」は発生確率の首位に、「気候変動の緩和・適応の失敗」は発生確率及び影響度ともに第2位に挙げられた。同報告書は、急速に進む生物多様性の損失なども含め、環境関連対策の不足が招く結果は明らかになりつつあると指摘し、こうした脅威に対処し、想定されうる影響にも備えるよう強く呼びかけている。