国連は、気候変動と格差拡大が持続可能な開発目標(SDGs)の達成を妨げている、と最新のSDGs報告書(2019年)で報告した。SDGsは、極度の貧困削減や子供の死亡率低下など一部で進展したものの、気候変動や生物多様性など環境関連目標で遅れが目立つという。格差は国内でも国家間でも拡大しており、発育不良の子供の4分の3が南アジアとサハラ以南のアフリカで生活、極度の貧困は農村部で都市部の3倍に上り、早急な対応が必要だと警告。また2018年は、観測史上4番目に高温の年となり、CO2濃度も引き続き増加、このまま増加が続けば海洋酸性化も加速するという。報告書は、極端気象や自然災害の頻発化と激化、生態系の崩壊は食料不安、安全、健康を悪化させ、多くの地域住民が貧困、避難、格差拡大に苦しんでいると指摘する。しかし貧困、格差、気候変動等の問題には相互関係があり、これを活用して進捗を加速させる機会があることも示した。報告書は、毎年SDGs達成の進捗状況を評価する国連ハイレベル政治フォーラムで発表されたもので、国連経済社会局が作成した。