フィンランド環境研究所(SYKE)は、バルト海の長期的な環境変化を報告した。それによると、バルト海の平均海面温度は過去100年間に10年あたり0.3℃のペースで上昇しており、1990年以降でみると10年あたり0.59℃上昇とペースが上がっている。バルト海公海の過去最高水温は、2018年7月25日に記録した27℃となっている。2000年以降にバルト海のリン濃度は25%、窒素は12%、それぞれ減少している。しかし、バルト海の栄養塩汚染は未だバルト海洋環境保護委員会(HELCOM)の目標値を超過している。無酸素水域は20世紀初頭から10倍に拡大した。背景には、人為起源の栄養塩汚染による富栄養化に加え、過去数十年は温暖化によって海洋の酸素吸収量が低下していることがあるという。過去約40年間に、フィンランド湾、オーランド海、ボスニア海の公海で、藍藻の量が統計的に有意な増加を示した。SYKEは、フィンランドの消費活動に由来する炭素排出及び栄養塩流入が、バルト海の持続可能性を脅かしているとした。