気候エネルギーソリューションセンター(C2ES)は、温室効果ガス(GHG)削減のためのクリーンエネルギー基準(電力事業者等のクリーン電力販売目標、CES)の可能性について報告書をまとめた。報告書は、クリーンエネルギーの普及を加速するための新たな政策がなければ、アメリカは2050年までの気候目標を達成できないと指摘し、経済成長と気候目標の達成を両立できる優れた市場ベースの解決策を提供する施策としてCESを論じている。すでにCESや再生可能エネルギー(再エネ)基準を導入している州も多いが、この報告書は、電力部門以外のGHG削減策との連動や地域を超えた連携なども含め、州及び連邦政府レベルでの調和的なCESの政策化議論に資する狙いがある。CESの可能性としては、環境と健康の保護、燃料多様化、新産業創出、様々な部門の脱炭素化といったクリーン電力のメリットを促進することや、再エネの潜在性に乏しい州や地域の選択肢が増え、クリーン電力の目標達成に向けて電力事業者の柔軟性が増すこと等、が挙げられている。