アメリカ国立科学財団(NSF)が助成した研究によって、ミシシッピ川の整備が意図しない好影響をもたらした可能性があることが分かった。過去1世紀の間にミシシッピ川からメキシコ湾へ植物の残骸や土壌、岩石などが運搬される間に大気中に放出された有機炭素の量は、少なくとも年間100万トン以上減少したと推定されている。同研究において、ミシシッピ・デルタの堆積時期と堆積物中の炭素の年代測定を行ったところ、堆積時期は1,000年前頃であったのに対し、堆積物中の炭素はそれよりも5,000年以上も古いことが判明した。この結果は、先史時代には有機炭素は長い時間をかけて河口まで流れており、その間に多くの炭素が大気中に放出されたことを示している。これが変化した主な理由は、堤防の建設によって洪水が防がれ、氾濫原への炭素の拡散が抑えられた結果、堆積物中の炭素が分解されて大気中に戻るのを防いだためと考えられる。熱帯地方などで大河が急速に変化していることを勘案すると、同研究は、世界の炭素循環の理解に貢献する可能性がある。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF)ニュース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 環境総合 |
キーワード | アメリカ国立科学財団 | 洪水 | メキシコ湾 | 炭素循環 | 年代測定 | 堤防 | ミシシッピ川 | 氾濫原 | 有機炭素 | ミシシッピ・デルタ |
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