2023年における世界のエネルギー関連のCO2排出量の増加率は、2022年よりも低いものであった。これは太陽光、風力、電気自動車(EV)などの技術の進化によるものといえる。一方で、2023年の排出量は前年に比べ、4.1億トン(1.1%)増加し、過去最高の374億トンに達した。異常な干ばつによる水力発電不足が中国、アメリカなどで発生し、これに代わる化石燃料の使用が、CO2排出の増加につながった。水力発電不足の影響がなければ、世界のCO2排出量は減少していたと考えられる。2023年、先進国ではGDPが成長する中、CO2排出量は過去最大の減少を記録した。クリーンエネルギーの導入は主に先進国と中国に集中している。中国では太陽光発電の拡大が著しい一方で、歴史的な水力発電不足とパンデミック後の経済再開により、2023年の排出量は約5.65億トン増加した。インドではGDPの目覚ましい成長に伴い排出量が約1.9億トン増加したものの、一人当たりの排出量はまだ世界平均を大きく下回っている。