UNEPは、金属需要が急増するなか、そのリサイクルの必要性を指摘する報告書を2冊発表した。これらの報告書はUNEPの「持続可能な資源管理に関する国際パネル」が発表したもので、金属リサイクルが進まなければ、環境面での問題に加えて、産業への供給不足が生じ、ハイテク部品やクリーン技術の成長を阻み、環境調和型経済への移行の障害ともなると指摘。報告書は、地中に埋蔵されている鉱物でなく「地上」で使用済みとなって放置されている金属の膨大な量を報じるとともに、各種金属の推定リサイクル率を公表した。また、持続可能でない金属利用の現状は、環境と経済の両面でリスクであるが、今後リサイクルが大きく進展した場合は安定供給の機会ともなることを強調している。報告書は、国連持続可能な開発委員会(UNCSD)の政府間会議と、2012年ブラジルで行われる「国連持続可能な開発のための世界会議(Rio+20)」の準備協議に資料として提出される。