EUの低炭素技術向け実証支援基金「NER300」の対象候補として、フランスはCO2回収・貯留(CCS)と再生可能エネルギーに関する5つのプロジェクトを選定した。NER300は、EUの気候・エネルギー政策パッケージの一部として設立された、低炭素技術開発のための資金提供メカニズムで、財源は合計で約45億~90億ユーロ(CO2排出量3億トン分の取引額に相当)が充てられる。初回となる今回の募集では、全体の2/3にあたるCO2排出量2億トン分の助成が予定されており、EU加盟国は、2011年5月9日までに、各国内のプロジェクト候補を決め欧州委員会に提出することになっていた。フランスは、溶鉱炉のCCS(アルセロール・ミッタル社)、木質セルロース系バイオマスからの熱化学プロセスによるバイオ燃料製造(UPMキュンメネ社)、海洋熱エネルギー発電(マルティニーク社)、洋上風力発電と水力発電(いずれもフランス電力公社エネルジー・ヌーベル)の5プロジェクトを選定、欧州委員会に申請した。結果は2012年に発表される。