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 カエルツボカビ症の蔓延は両生類の国際取引が原因と、国際科学者チームが特定

発表日:2011.11.09


  カエルツボカビ症の蔓延の原因は国際取引にありとする研究結果が、国際的科学チームにより米国科学アカデミー紀要に発表された。致死性のカエルツボカビ症により両生類の個体数が世界的に減少し、200種以上が絶滅したとされ、両生類の多様性が失われつつある。カエルツボカビ症については多くの研究がなされてきたにもかかわらず、その起源や蔓延経路は未解明であった。今回の研究では、世界各地の両生類11種から分離した20の罹患サンプルについてカエルツボカビ菌(Bd)のゲノム配列を比較し、3系統を確認。このうち2系統には致死性がなく、1系統(BdGPL)には遺伝子交換によって致死性をもつようになった証拠が認められた。この致死性系統の出現時期、両生類が減少し始めた時期、国際取引が始まった時期が重なることから、国際取引によって致死性ではない系統のツボカビが接触するようになり、遺伝子交換が生じて致死性をもつように進化したことが示唆された。科学者らは、国際取引を規制しない限り、さらに毒性の強い系統が出現しかねないと警告している。

情報源 自然環境研究会議(NERC) プレスリリース
国・地域 イギリス
機関 自然環境研究会議(NERC)
分野 自然環境
キーワード NERC | 毒性 | ゲノム | 自然環境研究会議 | カエルツボカビ症 | 両生類 | 致死性 | 国際取引 | 蔓延 | カエルツボカビ菌
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