海外ニュース


 野鳥の「系統樹」が、次に絶滅するおそれが高い種を特定する鍵に

発表日:2008.06.11


  鳥類の近縁関係を示す「系統樹」が、次に絶滅の危機に瀕する可能性の高い種を特定する手がかりとなり得るという研究成果が「王立協会紀要B:生物科学」に掲載された。イギリス自然環境研究会議(NERC)集団生物学センターのトーマス博士は、イギリスの鳥類の93%をカバーする系統樹と、絶滅危惧種の鳥類のリストを比較し、現在、個体数が減少している種は系統樹上で同じ系統に属していることを発見した。系統樹上で近縁となる種は身体上の特性が似ているため、同じ系統で絶滅の危機に直面している種がいる場合は、その近縁種も将来危機に瀕する可能性が高い。例えばクロウタドリは、個体数が著しく減少しているウタツグミと近縁のため、今後個体数が減少するおそれが高いという。なお、種の保護を決定する際の基準としては、個体数の減少以外に、地理的な生息範囲の減少を示す「範囲縮小」も重要であるが、この研究では、「範囲縮小」と系統樹の関連性は見出されなかった。

情報源 自然環境研究会議(NERC) プレスリリース
国・地域 イギリス
機関 自然環境研究会議(NERC)
分野 自然環境
キーワード NERC | 絶滅危惧種 | 野鳥 | 自然環境研究会議 | 系統樹
関連ニュース

関連する環境技術