フランスは、2012年1月から植物保護剤取扱者証(Certiphyto)制度を本格的に導入し、対象を植物保護剤(農薬)関係者全員に拡大した。これは、植物保護剤等の使用削減と使用上の安全を確保し、公衆衛生と環境へのリスクを減らすには、関係者全員の専門知識と責任が必要であるとの理由から実施されるものである。対象拡大により、農薬を仕事で使用する人(農場経営者やその従業員)や農薬の販売者、コンサルタントなど、約80万人が制度の対象となり、所定の期限までに証明書を取得することになる。すでに2009年から2010年の第一次実験段階では14万人が研修を受け、証明書を取得している。対象者の多様性を考慮し、証明書の取得には試験や研修など複数の方法が用意されており、業種や職種に応じて、農薬の安全な使用に必要な知識や、使用量を減らす新しい用法等が習得できるという。フランスは2018年までに農薬の使用量半減をめざす計画(Ecophyto 2018)を打ち出しており、今回の措置もこの一環として行われる。