フランス政府は、国家沿岸統合管理戦略に基づく2012-2015年第一次行動計画を発表した。海岸の4分の1近くが浸食で後退しているフランスでは、国にとっても沿岸の自治体にとっても、海岸線の変化に事前策を講じることが課題になっている。そこで、同戦略では、1)対策に優先順位を設定するため、海岸線の監視を進め、浸食リスク地域を特定する、2)官民共同で浸食管理戦略を策定する、3)地域の活力を維持しつつ、浸食リスクの高い地域で産業等の移転を促進する、4)国、地方自治体のそれぞれの管轄を明確にし、海岸線管理の財政負担方法を明確にする、の4項目を柱としており、この戦略に基づき、行動計画では、海岸線の変化を継続的に監視する全国ネットワークの設置、全国海岸浸食マップの作成による高リスク地域の特定、海岸浸食リスクに関する啓発計画の策定等が示されている。また、産業等の移転に関しては、2012年3月2日から6ヶ月間、移転プロジェクトを募集し、一定数のプロジェクトには、実現可能性(フィジビリティ)調査の実施資金を提供する。