兵庫県は、農地の炭素貯留量の調査結果を公表した。炭酸ガスは、地球温暖化の原因物質の一つと考えられ、その排出の削減が求められており、農地を炭酸ガス吸収源ととらえ、農地に蓄積されている炭酸ガス量を正確に把握するために全国的な調査研究が行われている。今回、兵庫県立農林水産技術総合センターが、県下各地約70地点の農地で5年間実施してきた調査の結果、県下の農地では1ha当たりに12~202t(平均57t)の炭酸ガスが貯留されていることがわかった。兵庫県の農地面積77,500ha(農林水産省統計)で試算すると、農地の炭素蓄積量は437.9万tとなった。これは、同県の定めた新兵庫県地球温暖化防止推進計画における、1990年から20年間の排出量削減見込み量である460.1万トンにほぼ匹敵する量である。同県では、農地の機能として、土壌管理によって炭酸ガスを蓄え、地球温暖化防止に貢献することが期待されるという。