(独)国立環境研究所は、同研究所の研究成果を分かりやすく伝える研究情報誌「環境儀」第29号「ライダーネットワークの展開-東アジア地域のエアロゾルの挙動解明を目指して」を刊行した。同研究所では、対流圏に存在する大気粉じん(エアロゾル)やガスの高度分布状態を計測するライダー(レーザーレーダー)の開発とその応用研究を1970年代から行っており、2001年からは観測ネットワークを国内及びアジア(モンゴル、中国、韓国、タイ)に展開し、その観測データは環境省の黄砂飛来情報でも活用されている。本号では、この実用化の過程などについて、担当研究者グループのインタビューを交えて分かりやすくまとめている。また、地球温暖化に関係する全球的なエアロゾル観測のための国際的な連携動向をはじめ、船・飛行機・衛星などへの搭載、多種類のエアロゾルを判別できる次世代型ライダーの開発などの現在・将来動向についても紹介している。