国立環境研究所は、稲作・麦作残さの燃焼(以下「野焼き」)の大気質への影響とPMの毒性影響に関する研究成果を公表した。野焼きは、大気汚染物質の発生源のひとつと見られているが、統計資料等が乏しいため、その実態や影響の把握が困難であった。同研究所はPM2.5(大気中を浮遊する粒径が2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質)に関する既往研究の成果を踏まえ、大気環境、環境リスクと健康および環境計測の3つの観点から、総合的な実態解明等に取り組んだ。その結果、1)野焼きの発生件数が多かった日にはPM2.5のなかのレボグルコサン(植物中のセルロースが燃焼するときに生じる無水糖)濃度が高く、レボグルコサンの濃度と野焼き件数の傾向に相関が見られ、2)物質ごとの寄与度(有機炭素:19%、黒色炭素:16%程度)が明らかとなり、3)毒性は大気中のPM2.5と同程度もしくはそれ以上であることが示唆された。また、4)降雨などの気象条件を考慮したモデルにより、野焼き発生件数の再現などにも成功したという。
情報源 |
国立環境研究所 新着情報
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機関 | 国立環境研究所 |
分野 |
健康・化学物質 大気環境 |
キーワード | 国立環境研究所 | 毒性 | 微小粒子状物質 | PM2.5 | 大気汚染物質 | 黒色炭素 | 有機炭素 | 野焼き | レボグルコサン |
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