(独)理化学研究所は、ラン藻の遺伝子を改変し、代謝能力や光応答反応を変化させることに成功したと発表した。ラン藻は植物と似た光合成を行い、光エネルギーとCO2を使い、バイオプラスチックや糖、アミノ酸、色素などの有用物質を作ることができる。ラン藻の光合成メカニズムを分子レベルで理解できれば、将来的に光とCO2を使ったものづくりにつながると期待されている。研究グループでは、ラン藻種に保存されている情報を伝達するタンパク質「Hik8」の量を増加させたHik8過剰発現株を作製。その細胞内代謝産物を測定したところ、炭素の貯蔵源であるグリコーゲンが大きく減少することや、光の条件に応じて7種類のアミノ酸が増加することが分かった。さらに、代謝の制御に重要なタンパク質「SigE」の量を測定した結果、Hik8によって、暗条件下でもタンパク質や転写産物の分解が抑制されるなど、光応答性が変化することが明らかになった。今後、ラン藻の分子メカニズムの理解が深まることで、アミノ酸や糖などの効率的な生産につながると期待できるという。
情報源 |
(独)理化学研究所 プレスリリース
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機関 | (独)理化学研究所 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 理化学研究所 | 遺伝子 | バイオプラスチック | 代謝 | タンパク質 | アミノ酸 | ラン藻 | SigE | Hik8 | 光応答 |
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