(独)森林総合研究所は、高性能な木質バイオマス固形燃料を連続的に製造する国内初の実証プラントを、神奈川県伊勢原市の三洋機械工業(株)に竣工し、平成26年12月17日に公開すると発表した。木質ペレットに代表される木質バイオマス固形燃料は、圧縮成型されているために取扱いやすい反面、発熱量が化石燃料より低く、また、水に浸すと形が崩れるといった欠点があった。しかし、原料の木材チップを300℃以下で半炭化処理(トレファクション)することにより、発熱量を2~3割程度向上させるとともに、耐水性を高めることができた。今回竣工したプラントは、トレファクション処理を施す炭化炉、処理されたチップを砕く粉砕機、ペレット製造機から構成。炭化炉では250~300℃程度の温度で原料チップをトレファクション処理するとともに、省エネを図るため、チップから発生するガスも炉の燃料に使う。高性能な木質ペレットを製造する技術の実用化へ向けて、今後は実証プラントでの連続製造試験を通じ、低コストかつ安定的な生産技術を確立していくという。