東北大学は、生物の分布限界を決める要因を解明したと発表した。気候変動が各生物種の分布や個体数などに与える影響の評価や予測に対する関心が高まりつつあるが、生物の分布限界(分布拡大の制限)メカニズムは十分に検証されていなかった。そのため、今回研究グループは、日本に分布の北限をもつアオモンイトトンボの分布限界において、野外調査と遺伝学的解析を行い、温度に対する適応の程度や遺伝的多様性の程度を検証した。具体的には、腹長(サイズ)や翼面荷重(飛翔能力)を指標とする評価により、分布の北限付近(北陸・東北地方)で地域適応が十分ではないことが明らかになり、分布の辺縁の集団での顕著な遺伝的多様性の低下が認められたという。また、分布域の緯度に沿って、Garza-Williamson指数などの多様性の指標が変化し、その減少パターンから、遺伝的多様性の減少が分布辺縁でのさらなる適応進化を抑制することなどが示唆されたという。
情報源 |
東北大学 プレスリリース
東北大学 プレスリリース(PDF) |
---|---|
機関 | 東北大学 |
分野 |
地球環境 自然環境 |
キーワード | 生物多様性 | 気候変動 | 東北大学 | 適応 | 環境影響 | 分布 | 遺伝的多様性 | アオモンイトトンボ |
関連ニュース |
|