気象庁は、世界気象機関(WMO)の「温室効果ガス年報第13号(2017年10月30日発表)」において、2016年の世界の温室効果ガスの平均濃度が観測史上最高を更新したと発表した。同庁では、運営するWMO温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)において、世界中の温室効果ガス観測データを収集・解析している。今回、2016年までの観測データを解析した結果、世界の主要な温室効果ガス濃度(CO2、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O))は引き続き増加を続けており、最近数十年間のCO2濃度の増加速度は、極域の氷床コアから復元した過去数十万年間の濃度変動と比べ前例のないペースであったという。なお、同年報は、11月6日から17日に開催される気候変動枠組条約第23回締約国会議(COP23)で配布され、国際的な気候変動対策の基礎資料として用いられる予定。