名古屋大学の研究グループは、窒素固定能力を持たない光合成微生物に窒素固定酵素(ニトロゲナーゼ)の遺伝子を導入し、酵素活性を確認したと発表した。植物は、ニトロゲナーゼを持たないため空気中の窒素を肥料成分に変えることができないが、ニトロゲナーゼを作ることができればそれが可能となり窒素肥料が不要となる。ニトロゲナーゼの遺伝子の導入については、大腸菌や酵母菌を用いた成果が報告されているが、光合成生物では技術的に難しいとされてきた。今回研究グループは、既往研究において着目してきた「シアノバクテリア(植物と同じ光合成をする微生物)」のうち、窒素固定の能力を持つプレクトネマのニトロゲナーゼ遺伝子とその合成の指令を出すタンパク質の遺伝子を、窒素固定をしないシアノバクテリア(シネコシスティス6803)に導入した株を作成した。その結果、導入株においてニトロゲナーゼ活性を確認することに成功した。ただし、その活性はプレクトネマに比べ非常に低く、ニトロゲナーゼタンパク質の量も極めて少なかった。今後はこの成果をもとに活性を向上させ、植物へのニトロゲナーゼ導入基盤の確立を目指す。
情報源 |
名古屋大学 プレスリリース(PDF)
名古屋大学 科学技術振興機構 共同発表 |
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機関 | 名古屋大学 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 名古屋大学 | 遺伝子 | シアノバクテリア | 大腸菌 | 酵母菌 | ニトロゲナーゼ | 窒素肥料 | プレクトネマ | シネコシスティス6803 | 光合成生物 |
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