（株）大林組は、意匠性を重視した建築物の熱負荷計算の精度を高め、エネルギー効率の最適化の実現に資するシミュレーションツールを開発したと発表した。近年、3次元で設計を行うBIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）の普及により、複雑な曲面を持つ建築物の設計ニーズが高まっている。一方、ZEB（ゼロ・エネルギー・ビル）の達成においては省エネ手法の導入効果を正確に予測する技術が不可欠となっている。こうした施主ニーズや課題に対応するため、同社は1)幾何学的な形状の建築物設計に導入されているアルゴリズミックデザインという手法、2)基本的な設計条件の入出力支援システム、3)空気調和・衛生工学会方式の熱負荷シミュレーションプログラムを連携させることで、曲面建築等における熱負荷計算の自動化を実現できるシミュレーションツールを開発した。このツールを追加したプラットフォームの活用により、高性能な環境共生建築の提案を積極化していくという。