神戸大学は、奄美大島の植物研究家と共同で、菌従属栄養植物の調査を行い、その過程でラン科の新種「アマミヤツシロラン」を奄美群島(奄美大島および徳之島の2島)で発見したと発表した。同大学は、光合成を行わず、花期と果実期のわずかな期間しか地上に姿を現さない菌従属栄養植物の分布調査と分類体系の整理に取り組んでいる。今回発見された新種は、高さ2~4cmほどで、長さ1cm程度の花を1~5個つけるが、花は咲かせることなく蕾のまま自家受粉を行う。花を咲かせない菌従属栄養植物の存在は、植物が光合成を止める過程において送粉昆虫などとの共生関係までも変化させたことを示唆している。一方、同種は豊かな地下生態系が広がりの上に成立する植物であり、それらが見られる地域には絶滅が危惧される動植物が分布していることが報告されている。奄美群島の照葉樹林の豊かさや価値を示すとともに、その希少性や重要性の再認識につながる発見であるという。
情報源 |
神戸大学 研究ニュース
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機関 | 神戸大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 共生関係 | 新種 | 神戸大学 | 照葉樹林 | 徳之島 | 奄美大島 | 奄美群島 | 菌従属栄養植物 | アマミヤツシロラン |
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