東京大学と北海道大学の研究グループは、サケ(学名:Oncorhynchus keta)の稚魚が川を降り外洋に出るまでの間、岩手県大槌湾内における時空間的分布を、環境DNA分析により解明したと発表した。大槌湾の位置する三陸沿岸は、急峻な山と海崖に隔てられた多数の閉鎖的な小さな湾から成るなど海岸地形は複雑で、三陸のサケに独自の地域的生態特性をもたらすと考えられているが、その生態はほとんど分かっていなかった。同研究グループは、1)水槽実験により、サケの環境DNAの放出と崩壊が時間と水温に大きく依存すること、環境DNA量が概ねサケ稚魚の個体数を反映することなどを検証し、野外への適用を可能にした。そのうえで、大槌湾において環境DNA分析を行い、2)河川で生まれて流下したサケは、1月から6月にかけて大槌湾内に分布し、湾外へ出ていくことが示された。サケの生態調査に環境DNAを導入した本研究により、三陸サケの生態に対する理解を深め、サケの人工ふ化放流技術への改善につながることが期待されるという。
情報源 |
東京大学大気海洋研究所 プレスリリース
北海道大学 プレスリリース(PDF) |
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機関 | 東京大学大気海洋研究所 北海道大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 東京大学 | 北海道大学 | 稚魚 | サケ | 岩手県 | 分布 | 環境DNA | 生態調査 | Oncorhynchus keta | 大槌湾 |
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