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 筑波大など、赤外光用レンズに活用できるバイオマス素材を開発

発表日:2020.10.26


  筑波大学と産業技術総合研究所は、赤外光を透過し、伸縮させることで焦点位置を調節することができるバイオマス素材を開発した。両者は、赤外光を利用する装置の性能を左右する赤外用光学素子材料の原材料や製造コストが高く、レンズ等は加工が難しいといった課題を抱えていることから、高価な材料を使用せずに、赤外光用レンズの役割を果たす新素材の開発に取り組んだ。今回、「藻類オイル」と石油の脱硫プロセスで除去される「イオウ」、植物の精油成分「テルペン」を混合・加熱した結果、赤外透過性と弾力性を併せ持つ高分子材料を合成することができた。また、この高分子材料を鋳型に流し込み、加熱して得られた凸レンズ形状の薄板状試料に赤外光を照射する実験を行ったところ、試料の延伸・収縮倍率に応じて焦点を意図する位置に移動できることが分かった。カーボンネガティブな新素材であり、機械式レンズ駆動機構の簡略化も期待できることから、赤外カメラシステムの低コスト化・小型軽量化につながるという。

情報源 筑波大学 注目の研究
機関 筑波大学 (国研)産業技術総合研究所
分野 環境総合
キーワード 産業技術総合研究所 | 筑波大学 | 赤外光 | バイオマス素材 | 赤外用光学素子材料 | 藻類オイル | テルペン | 赤外透過性 | 弾力性 | カーボンネガティブ
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