大阪大学は、木材由来のナノ繊維(CNF)が電子回路の短絡(ショート)防止や保護に活用できることを実証した。同大学は、CNFを活かしたデバイスの社会実装を視野に入れた研究に取り組んでおり、2019年にCNFで作製した紙を基板とするセンサ・ネットワーク用デバイスを開発している。今回、ひとたび損傷すると水の侵入を防ぐことができず、水濡れ故障を抑えることができなくなるといった従来技術の課題を解決するために、電子回路上にCNF液を塗布し、防水の成否や損傷後の効果を検証した。その結果、銅、銀などの配線金属間に水分と電位差が存在する場合に発生し、水濡れ故障の主因とされる「イオンマイグレーション」と、その現象に伴い進行する金属突起の形成(樹状析出)がCNFコーティングによって抑制できることが分かった。また、この効果はナノ繊維が損傷部に集まり、固まる(ゲル化)ことで発現し、水没後24時間経っても持続することが判明した。ウェアラブル・ヘルスケアデバイスなどへの応用展開が期待できるという。
情報源 |
大阪大学 研究情報
(国研)科学技術振興機構 プレスリリース |
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機関 | 大阪大学 (国研)科学技術振興機構 |
分野 |
環境総合 |
キーワード | コーティング | 電子回路 | 木材由来のナノ繊維 | 短絡 | ショート | センサ・ネットワーク用デバイス | イオンマイグレーション | 樹状析出 | ゲル化 | ウェアラブル・ヘルスケアデバイス |
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