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 JAMSTEC、大型深海ザメの遊泳速度などを実測

発表日:2021.05.18


  (国研)海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、深海性サメ類「オンデンザメ」の遊泳速度を計測するとともに生息密度を推定する手法を開発した。JAMSTECは、2014年から駿河湾の深海における「上位捕食者」の調査に取り組んでいる。今回、陸上動物の調査などに導入されている「餌付きカメラ(BC:Baited Camera)」を用いてオンデンザメの実態把握を試みた。2016年7月に同海域の水深約600mに2台のBCを設置したところ、1台目のBCに到着・離脱した個体が37分後にもう一台のBCに現れ、再び1台目のBCに戻る様子が撮影された。2台の間隔や平均流速・流向からオンデンザメの遊泳速度を推定した結果、秒速21~25cmであった。これは体重比で最も遅い魚として知られるニシオンデンザメの遊泳速度と同等であった。一方、調査地点の水温が比較的高かったことから、オンデンザメの遊泳速度の遅さは低水温によるものではなく、「視覚的相互作用仮説」によって説明できることが示唆された。また、BCの映像と流向流速データを総合的に解析することで、オンデンザメの深度ゾーンごとの生息密度を餌の匂いの拡散範囲から評価できることも分かった。

情報源 (国研)海洋研究開発機構 プレスリリース
機関 (国研)海洋研究開発機構
分野 自然環境
キーワード 駿河湾 | 遊泳速度 | 上位捕食者 | オンデンザメ | 生息密度 | 餌付きカメラ | Baited Camera | ニシオンデンザメ | 視覚的相互作用仮説 | 深海性サメ類
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