国立環境研究所、フランスの研究機関やスウェーデンの大学からなる合同研究チームは、パリ協定で事実上合意がなされている「100年の地球温暖化係数(GWP100)」の運用方向を示唆する研究成果を発表した。GWP100はGHG削減にかかる政策検討・交渉で長年使われている指標であるが、政策目標との整合における問題点も指摘されている。同研究チームは、短寿命気候汚染物質(SLCP)等の排出削減効果を25年、50年スパンで検証する手法が検討されていることを踏まえ、物理気候、炭素循環、大気化学、社会経済システムを簡略化して統合的に表現するモデルを用いて、世界規模でGHG排出削減費用と気温上昇を抑制するシナリオを導き出し、最も「費用対効果」の高い排出指標を特定した。その結果、パリ協定の目標達成とは見なされない「温度目標を一時的に超過するシナリオ(オーバーシュート)」の詳細が明らかとなり、メタン等のSLCP排出削減に着目した取組が必要であることが分かった。例えば5年ごとのグローバルストックテイクの機会を活用し、排出指標の選択の確認・見直しを行っていくことが望ましいという。
情報源 |
国立環境研究所 報道発表
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機関 | 国立環境研究所 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | メタン | 炭素循環 | 費用対効果 | 短寿命気候汚染物質 | グローバルストックテイク | 社会経済システム | GWP100 | 物理気候 | 大気化学 | オーバーシュート |
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