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 琉球大など、驚きの特徴を有する新属新種のカニを発見

発表日:2021.06.25


  琉球大学、(株)かんきょう社およびシンガポール国立大学からなる研究グループは、世界初めて発見された形態が特異な新属新種のカニを発見したと発表した。世界では約7800種の多様なカニが見つかっているが、雌雄の生殖器が左右対称であるという特徴は共通している。同研究グループが発表したカニは、波あたりの強い水深3 m以浅において採集された最大甲幅8.1 mmの小型種で、オスの左の生殖器が縮小し、右側の生殖器に寄り添う様な形になっており、成熟したメスは左側の生殖孔のみが開いていた。一般的なカニは雌雄が互いの腹を向けて左右にある2つの生殖器・生殖孔を使って交尾するが、今回発見されたカニはメスが1つの生殖孔のみを生殖行動に使用していることになる。またオスの縮小した生殖器の機能は不明である。今回発見されたカニは、形態学的・分子遺伝学的にオウギガニ科に属するが、既知の属や種に該当しない。このため、発見当時、沖縄方言で魂を意味する「マブイ」が体から落ちるくらいの驚きを覚えたことと、このカニの色や形、大きさが、見つかった環境の底質(小石 =ラテン語でcalculus)に似ていることから、「マブイガニ(Mabui calculus)」と命名された。

情報源 琉球大学 研究成果
機関 琉球大学 (株)かんきょう社 シンガポール国立大学リーコンチェン自然史博物館
分野 自然環境
キーワード 底質 | 形態 | 生殖器 | オウギガニ科 | 沖縄方言 | マブイ | 小石 | Mabui calculus | マブイガニ | 生殖孔
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