新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「安全安心なドローン基盤技術開発(実施期間:2020年4月~2021年11月)」の成果が高性能・高セキュリティーなドローンの商品化につながったと発表した。標準機体とセキュリティーの仕様は、政府調達に適した小型ドローンのニーズ把握や、ドローンを地上からコントロールするソフトウエア(GCS: Ground Control Station)や、各種データの管理システムまでをISO評価基準に照らして分析するといった、さまざまな調査分析結果に基づいて作成された。また、試作機を用いた操作体験会の開催を通じて、ユーザーからのフィードバックを迅速に量産プロトタイプに反映する「アジャイル型」の開発方式を採用しており、主要部品の性能向上を図り、生産や保守・サポートに関わるプロセスも開発している。また、公共分野におけるさまざまな活用シーンを想定し、携帯性・拡張性に優れた小型・軽量(展開時寸法:637×560 mm、重量:1.7 kg)、高い防じん・防水性能、準天頂衛星「みちびき」に対応したフライトコントローラー搭載なども実現している。飛行ログや空撮画像・動画の管理は、関係省庁の組織構成に応じたクラウドシステムの利用を前提としている。データの漏洩や抜き取りの防止、機体の乗っ取りへの耐性などに配慮した設計がなされている。今回、同プロジェクトに参画した(株)ACSLが当該ドローンを上市した。「セキュアな小型空撮ドローン」として訴求し、受注生産を開始している。