(独)農業・食品産業技術総合研究機構は、同機構の果樹研究所が、神戸大学と大阪市立大学と協力して、2007年の環境省レッドリストで絶滅危惧IA類に指定されたミチノクナシの個体の多くが、古い時代に帰化したと推定されているニホンナシと交雑していることを発見したと発表した。今回、遺伝子解析による由来集団の推定により、ミチノクナシとされる植物のうち、真の自生集団が残存するのは北上山地だけで、他の地域の個体は交雑個体と置き換わったか、もしくは人為的に移入された個体が野生化したものと推定。また、日本海側の地方に存在するニホンナシの古い栽培品種では、ミチノクナシとの交雑が疑われる品種はごく一部であることが判明した。この結果から、生物多様性保全において、これまで特に注意の対象とされてこなかった古い時代に帰化した植物も、一千年以上の長い年月の間に自生植物と交雑して生物多様性に影響を及ぼしていることが明らかになったという。
情報源 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 プレスリリース
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機関 | (独)農業・食品産業技術総合研究機構 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 生物多様性 | 農業・食品産業技術総合研究機構 | 植物 | 果樹研究所 | レッドリスト | 絶滅危惧 |
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