国内ニュース


 東北大と京大、石油メジャーのグリーンウォッシュ度を客観的に評価

発表日:2022.02.28


  東北大学と京都大学は、石油メジャーが掲げる脱炭素戦略にはさまざまな矛盾点があると指摘した。気候変動緩和に向けた世界的な潮流があるなか、過去100年にわたって一次エネルギーの生産・供給に大きく貢献してきた石油メジャーもビジネスモデルの変革に取り組む姿勢を打ち出している。両大学は、「環境に優しい」と主張する企業が上辺だけの欺瞞的な環境訴求「グリーンウォッシュ(greenwashing)」を行う事例が散見されることから、“クリーンエネルギーへの移⾏”にコミットしている欧米の石油メジャー4社(BP、シェブロン、エクソンモービル、シェル)を対象として、各社の脱炭素戦略等に関する包括的な分析を⾏った。クリーンエネルギー投資の実態に関するデータは非公開、入手困難、かつ現状では明確な定義がなされていないといった限界があるため、先ずは2009~2020年の公表資料等を収集し、それらの頻出キーワードを分析した。その結果、関連する文言(気候、低炭素、移⾏)は増加しているものの、それらは「誓約」にとどまっており、「言説」と一致する具体的な「行動」には反映されていないことが明らかになった。さらに各社の財務データを分析したところ、調査分析対象期間に化石燃料の総生産量を減じ、大規模な「クリーンエネルギー投資」を行った顕著な証拠を見い出すこともできなかった。総じて、石油メジャーはコアビジネスモデルを化⽯燃料からクリーンエネルギーにシフトさせているとは言い難いことが示唆され、グリーンウォッシュという批判の目を逃れることはできないだろうと、結論している。

情報源 東北大学 プレスリリース・研究成果
京都大学 Latest research news
機関 東北大学 京都大学
分野 地球環境
環境総合
キーワード ビジネスモデル | 気候変動緩和 | 石油・天然ガス | greenwashing | 脱炭素戦略 | 石油メジャー | グリーンウォッシュ | 誓約 | 言説 | クリーンエネルギーへの移⾏
関連ニュース

関連する環境技術