環境省は、化学物質の環境リスク初期評価(第21次取りまとめ)の結果を公表した。同省は、化学物質による環境汚染を通じて、人の健康や生態系に好ましくない影響が発生することを未然に防止するため、中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会で審議を行っていた。審議を踏まえ、取りまとめた結果、生態リスク初期評価で「ジクロルボス」について詳細な評価を行う候補とし、関係部局の連携のもと対応を図るとしている。化学物質の中には、人の健康及び生態系に対する有害性を持つものがあるため、化学物質が、大気、水、土壌等の環境媒体を経由して環境の保全上の支障を生じさせる蓋然性について、科学的な観点から定量的な検討と評価を行い、環境リスクを低減させるための対策を進めていく必要がある。今後の評価対象物質は、同省内の関係部局等からのニーズや、環境モニタリングにおける検出状況等を踏まえ、優先度が高いものを選定していくとしており、環境中に存在する医薬品等、非意図的に生成される物質、天然物がそのまま抽出されて利用される物質といった化学物質審査規制法によるリスク評価の対象となっていない物質や、用途が多岐にわたるため、用途毎の規制法では環境リスクの全体像の把握が困難と考えられる物質に、特に留意する必要があるという。