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 ゴムの種子油でSDGs貢献!農工大・兼橋研究室が大躍進

発表日:2023.05.19


  東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門・兼橋准教授らの取り組みが本格的なグローバル展開ステージに移行する。兼橋研究室は学際的・分野横断的な研究スタンスをモットーとしており、 “サステナブルマテリアルの創製”さらには“グリーントランスフォーメーション(GX: Green Transformation)の実現”に挑戦している。前例のない、新たな非食用バイオマスの探索や機能性評価にも余念なく、近年ではカシューナッツの種子殻から油を抽出し、バイオマスプラスチック素材に変換するプロセスを見いだしている。同研究室の次なるターゲットは天然ゴムの主原料である「パラゴムノキ」の種子。ゴムのプランテーションは樹液(ラテックス)採取が主目的であるため、種苗の更新に供しない多くの種子が未利用であった。一方、種子は油分に富み、既往プロセスの適用可能性が極めて高いと考えられた。これらの特性を踏まえ、同研究室はパラゴムノキの種子油を精製し、新規バイオケミカル事業の創出につなげる構想を打ち出し、化学産業界からも注目を浴びるようになっていた。今回、こうした構想をベースとする提案が難関を乗り越え(公募分野の採択率:10%程度)、「令和5年度・地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(JST・JICA)」に条件付き採択された(研究課題名:未利用天然ゴムの種の持続的カスケード利用による地球温暖化およびプラスチック問題緩和策に関する研究、研究期間:5年間)。相手国(タイ)の現状調査を皮切りに、パラゴムノキの種からの植物油脂抽出および精製、グリーンプロダクツ創出へと展開し、LCAによる評価などを行う計画となっている。また、同プログロムのねらいである科学技術外交の一環として、キャパシティビルディングの支援や国際コンソーシアムの形成にも取り組む(主要相手国研究機関:チュラロンコン大学)。SDGs12・13・15への貢献が期待されている。

情報源 東京農工大学 ニュース
機関 東京農工大学
分野 環境総合
キーワード LCA | タイ | SDGs | カシューナッツ | チュラロンコン大学 | グリーンプロダクツ | グリーントランスフォーメーション | 非食用バイオマス | パラゴムノキ | バイオケミカル事業
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