北陸新幹線トンネル建設⼯事によりラムサール条約湿地「中池見湿地」(福井県敦賀市)から流れ出る湧水が激減した問題について、代償措置として1990年代後半に埋め立てられた湿地を、埋立て前に近い状態に復活させる方針が決定した。「中池見湿地」は特異な地形と多様な水環境からトンボ類をはじめとした生物多様性の宝庫となっていて2012年にラムサール条約に登録。しかし湿地の水源となる「深山(みやま)」を貫通する北陸新幹線のルートが公表され、2019年1月~2021年8月で工事が完了、その後、湿地本体からの唯一の水の出口である「後谷」に深山から流れる湧水が激減していた。これらの状況を改善するために、(公財)日本自然保護協会や地元市民団体は、事業者である(独)鉄道・運輸機構に保全策の検討を要請し、その保全策の1つとして後谷を分断している上流部の埋立地を元の湿地に再⽣することを提案してきた。今回、2023年7月29日に行われた「北陸新幹線、中池見湿地付近モニタリング調査等 フォローアップ委員会」においてミチゲーション5原則(回避・最小化・修正・軽減・代償)に則り、代償措置として湿地を復活させることが決定した。今後の維持管理などは別の場で議論されるという。
情報源 |
(公財)日本自然保護協会 壊れそうな自然を守る
(独)鉄道・運輸機構 中池見湿地付近に関する情報 |
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機関 | (公財)日本自然保護協会 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 湿地 | ラムサール条約 | 湧水 | 敦賀市 | 北陸新幹線 | 日本自然保護協会 | 代償措置 | 中池見湿地 | トンネル建設 | ミチゲーション5原則 |
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