(公財)日本自然保護協会(NACS-J)、(公財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)および(公財)日本野鳥の会は、大阪市夢洲(ゆめしま)で計画されている国際博覧会「大阪万博」に対して、大阪市長などへ要望書を提出した。大阪市は令和4年2月9日付けで、大阪万博の会場の環境影響評価手続きに際して、「夢洲では多様な鳥類が確認されていることから、専門家等の意見を聴取しながら、工事着手までにこれら鳥類の生息・生育環境に配慮した整備内容やスケジュール等のロードマップを作成し、湿地や草地、砂れき地等の多様な環境を保全・創出する」との市長意見を提出している。一方、夢洲はコアジサシやシギ・チドリ類などの水鳥の生息地となっており、これらの自然環境が消失してしまう懸念が残る。今回、環境保全3団体は、夢洲の生物多様性の保全と回復のために、土地造成事業の見直し、湿地と干潟を形成するよう計画の変更を求めている。また、ラムサール条約湿地の登録を目指すこと、関係団体や専門家による協議会の場の設置を提案している。