「洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会」が2020年12月にまとめた「洋上風力産業ビジョン(1次)」は、2030年までに1000万 kW、2040年までに浮体式を含む3000~4500万 kWの案件形成を目標に掲げつつ、気候変動対策の推進や生物多様性の保全にも配慮した、最大限の導入を求めるものとなっている。しかし、再エネ海域利用法促進(2019年4月1日より施行)に基づく促進区域指定と環境影響評価はそれぞれ独立した制度であるため、両制度が並行して適用されること等により、①促進区域指定の際のより適正な環境配慮の必要性、②複数事業者による環境影響評価手続の実施、③事業の実施区域の環境配慮に係る制度的重複、といった課題が生じていた。今回公表された中環審答申は「風力発電事業に係る環境影響評価の在り方について(一次答申)」と題されている。領海で実施される事業については、環境省が現地調査を実施し、風車の立地制約や発電事業の留意点等を示した後に、経産省と国交省が促進区域を指定し、公募で選定された事業者が具体的な事業計画の準備書と評価書手続を実施する、としている(配慮書及び方法書手続は適用除外)。一方、排他的経済水域(EEZ)で実施される事業(【補注】参照)については、環境省が収集する文献情報や環境データを中心とした環境調査の結果に基づき、経産省が候補海域を指定し、実施事業者が候補海域の中から設定した区域の環境影響評価手続を実施する、としている。さらに、工事中及び稼働中における実際の環境影響を把握するためのモニタリング実施の重要性について再度強調している。【補注】現在、関係省庁において、“排他的経済水域(EEZ)における洋上風力発電事業の実施を可能とするための制度案”の検討が進められている。
情報源 |
環境省 報道発表資料
風力発電事業に係る環境影響評価の在り方について(一次答申)PDF |
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機関 | 環境省 |
分野 |
自然環境 水・土壌環境 |
キーワード | モニタリング | 環境省 | 環境配慮 | 環境影響評価 | 排他的経済水域 | 再エネ海域利用法 | 一次答申 | 促進区域指定 | 領海 |
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