国内ニュース


 【研究DX】成功事例の創出と同時に研究者のモチベーションアップを!

発表日:2023.12.11


  文部科学省は「オープンサイエンスの推進について(一次まとめ)」を公表した。オープンサイエンスは、論文のオープンアクセス(OA)と研究データのオープン化であるオープンデータを含め、研究成果の共有・公開を進め、研究の加速化や新たな知識の創造などを促す取組、とされている。近年では国際会議の場でも活発に議論されており、G7仙台科学技術大臣会合(2023年5月12日)では「科学的知識並びに研究データ及び学術出版物を含む公的資金による研究成果の公平な普及によるオープンサイエンスの推進」が合意された。本一次まとめは、そうした背景や総合科学技術・イノベーション会議の方針(例:公的資金による学術論文等の即時OA化など)を踏まえ、科学技術・学術政策の観点から整理されたもの。オープンサイエンスとは「研究活動そのものの変容」と「社会に対する貢献・使命」の大きく二つの意義を持つ概念、とあらためて定義し、オープンサイエンスを取り巻くコスト面の問題(例:商業誌の価格高騰、国民の追加負担回避など)に触れている。また、オープンサイエンスのプロセスの明確化について、論文のOA化・プレプリント公開手法のあらましや、研究データの共有・公開に係る先進的なシステム(例:国立情報学研究所のデータ管理基盤など)を紹介しつつ、それらの運用に伴う課題も明記している(例:論文には記載されなかった研究データの取り扱い、大学・研究機関における利用可否の判断等)。さらにオープンサイエンスの実装に向けた課題として、オープンアクセスポリシー・データポリシーの策定、既存のシステムや研究成果プラットフォームの拡充、あるべき姿(デジタル・ライブラリー)を想定した大学図書館の機能強化、プレプリントの位置づけ・戦略の検討を挙げている。将来的には、実装を通じて得られた知見・成功事例の周知を図り、研究者の意欲を高める取り組みとすることが望ましい、と結んでいる。

情報源 文部科学省 新着情報
機関 文部科学省
分野 環境総合
キーワード 国立情報学研究所 | オープンサイエンス | 総合科学技術・イノベーション会議 | 研究データ | G7仙台科学技術大臣会合 | プレプリント | オープンアクセスポリシー | データポリシー | デジタル・ライブラリー
関連ニュース

関連する環境技術