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 持続可能な食生活の指針…野菜食も肉食も、多様な料理を食べよう!

発表日:2024.04.11


  東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻のロン准教授、吉田教授、同大学未来ビジョン研究センターのガスパラトス教授らの研究チームは、食生活の環境および健康への影響を探求し、混合食が栄養ニーズを満たしつつ環境への影響を低減するより持続可能な料理であることを明らかにした。国連食糧農業機関(FAO)は、2050年までに世界人口が91億人に達し、食品生産を70%増加させる必要があると指摘している。同研究チームは、味の素(株)のレシピデータベースから選ばれた45種類の「料理」を対象に、経済学と数学を用いたモデリングアプローチにより、カーボンフットプリント(CFP)・栄養価・価格などを評価した。そして、産業連関分析を通じて、料理の生産から消費までの各過程でのCO2排出量を追跡した。その結果、牛肉を中心とする料理が最も高いCFPを持ち、豚肉や野菜ベースの料理は比較的低いCFPを示すことが明らかになった。また、各料理の直接的なCO2排出は“料理のタイプ”によって異なることが判明した。さらに、栄養評価からは、肉ベースの料理が一般的に高いコレステロール量を持つ一方で、異なるタイプの料理間で特定の栄養素において顕著な違いがあることが確認された。これらの知見から、混合食(【補遺】参照)を摂取することが、栄養バランスの良い食生活を促進すると考えられた。本研究の手法は世界各国で適用できるものであり、持続可能な食生活の実現に向けた重要な指針のひとつとなることが期待される、と結んでいる(DOI:10.1126/sciadv.adh1077)。【補遺】混合食:食材を肉、魚介、野菜などに分類するとき、単一の食材から成る料理ではなく、さまざまな食材を含む料理を指す。

情報源 東京大学大学院工学系研究科 プレスリリース
機関 東京大学大学院工学系研究科
分野 地球環境
健康・化学物質
環境総合
キーワード カーボンフットプリント | 持続可能性 | 環境影響 | 健康への影響 | 栄養バランス | 混合食 | 食品システム | 料理分析 | 食生活シナリオ
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