豊田中央研究所は、リサイクル時の廃棄プラスチック活用を最大化するための「新材（バージンポリマー）混合比」を推定する手法を開発した。この研究は、プラスチック廃棄物のリサイクルにおける環境負荷の低減と循環型社会の実現を目指している。現在、廃棄プラスチックを原料として再生プラスチックを作り出す「マテリアルリサイクル」が主流であるが、経年劣化や不純物の混入により品質が低下し、再生プラスチックの機械特性が低下することが課題となっている。具体的には、バージンポリマーをどれだけ混ぜるかの割合（新材混合比）を推定するために、「高分子ブレンド」の機械特性予測モデルを応用する手法を開発した。この手法により、再生プラスチックの機械特性を維持できる最小限の新材混合量を見積もることが可能となり、廃棄プラスチックを最大限に活用できるようになる。また、この手法はライフサイクルアセスメント（LCA）においても有効であり、プラスチックの製造から廃棄までの全過程における環境負荷を評価することができる。