東京科学大学(Science Tokyo)・那波准教授らの研究チームは、2011年から2022年までの全国規模の入院データを解析し、子どもが暑さにさらされると川崎病のリスクが増加することを明らかにした。──川崎病は1967年に川崎富作博士によって初めて報告された先進国で最も多い子どもの後天性心疾患であり、日本はその罹患率が世界一である。しかし、約50年にわたる研究にもかかわらず、その原因はまだ完全に解明されていない。──本研究はそうした原因の解明に迫るもの。今回の解析により、極端な高温にさらされると川崎病のリスクが増加することが新たに示された。具体的には、極端な暑さ(上位1%に該当する1日の平均気温が30.7度)にさらされると、入院リスクが33%(95%信頼区間: 8%~65%)増加することがわかった。これからの時代、気候変動の影響で暑すぎる日が増加すると予想される。今回の新知見により、医療従事者は、気温の高い日に川崎病の発症リスクが高まる可能性に備えて、対応の準備をする必要があることが示唆された。那波准教授らは「環境要因と川崎病との関連性を理解することは、まだ完全に解明されていない川崎病の原因究明に寄与することが期待される」と述べている。本研究成果は、国際科学誌Environmental Researchに2024年10月30日にオンライン版で発表された。──なお、極端な気温の健康への影響は一定期間続くことが知られており、その遷延性は「ラグ効果」と呼ばれている。本研究ではこのラグ効果を考慮して解析が行われた。
情報源 |
東京科学大学 Science Tokyo ニュース
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機関 | 東京科学大学 |
分野 |
地球環境 健康・化学物質 |
キーワード | 気候変動 | 環境要因 | 川崎病 | 高温曝露 | 入院データ | 後天性心疾患 | 極端な高温 | リスク増加 | 医療対応 | ラグ効果 |
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