北海道大学総合博物館、国立科学博物館、日本データーサービスなどの研究グループは、2025年6月、北海道有珠山において、国内で絶滅したとされていたタカネハナワラビ(Botrychium boreale)を約半世紀ぶりに再発見した。また、同時に環境省RLで絶滅危惧IA類に指定されているミヤマハナワラビ(B. lanceolatum)の新産地も確認された。
両種とも「ワラビ」という名がついているが、食用のワラビとは異なり、ハナヤスリ科に属する胞子で繁殖するシダ植物である。タカネハナワラビは1976年に有珠山で初めて確認されたが、翌年の噴火により生育地が壊滅し、以降記録が途絶えていたため、環境省第5次レッドリストでは絶滅(EX)と判定されていた。一方、ミヤマハナワラビは北海道と本州中部の亜高山帯に分布する希少種で、近年の生育記録は極めて少なく、国内では絶滅寸前とされていた。
研究グループは2024年に現地調査を実施し、両種の形態的特徴をもとに同定。タカネハナワラビは17株、ミヤマハナワラビは40株が確認され、それぞれ30㎡と100㎡の狭い範囲に生育していた。両者は隣接していたが混生はしておらず、生育環境にも違いが見られた。
今回の再発見は、環境省レッドリストで絶滅とされたシダ植物の中でも極めて稀な事例であり、保全の重要性が高い。研究者らは今後、DNA解析による種の起源の解明や、外来種の影響・登山者による踏圧などのリスクを踏まえた保全策の検討を進めるとしている。
| 情報源 |
北海道大学 プレスリリース(研究発表)
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| 機関 | 北海道大学 国立科学博物館 |
| 分野 |
自然環境 |
| キーワード | 外来種 | 生物多様性 | 絶滅危惧種 | レッドリスト | 保全活動 | 特別保護地区 | 維管束植物 | シダ植物 | DNA解析 | 有珠山 |
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