環境省は、「PFOS等の濃度低減のための対策技術の実証事業」において、国内で提案された技術の中から計9件(8社)の技術を実証対象として選定した。PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)およびPFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、撥水・撥油性を持つ化学物質であり、環境中で分解されにくく、人体や生態系への影響が懸念されている。これらは「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」とも呼ばれ、近年では水環境中で50ng/Lを超える濃度が検出される地域も確認されている。
国内ではPFOS等の濃度低減に関する技術の実施例が限られていることから、環境省は令和7年4月21日から5月23日にかけて技術提案の公募を実施。対象技術は、①土壌中のPFOS・PFOA濃度低減技術、②管理型最終処分場の放流水処理技術、③安定型最終処分場の浸透水処理技術の三種である。公募には延べ74件(50社)の応募があり、学識経験者による審査を経て、実証対象技術が選定された。――選定された技術には、ロータリーキルン式熱分解処理(鴻池組)、分級洗浄技術(清水建設)、PFAS固定化技術(環境管理センター)、固化・安定化処理(大林組)などの土壌処理技術が含まれる。また、水処理技術としては、活性炭吸着装置と泡沫分離装置の組み合わせ(エコサイズ)、イオン交換樹脂による処理(奥村組)、プラズマ分解技術(清水建設)、キャビテーション超音波–酸化ラジカル技術(日立ハイテク)、エマルションフローと光分解の組み合わせ(エマルションフローテクノロジーズ)が選ばれた。
これらの技術は、現地および現地以外での実証試験を通じて、PFOS等の濃度低減効果を検証する予定であり、得られた知見は地方自治体等に広く提供される。
情報源 |
環境省 報道発表資料
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機関 | 環境省 |
分野 |
水・土壌環境 |
キーワード | 廃棄物処理 | 活性炭吸着 | 土壌汚染 | 環境省 | 実証事業 | 有害化学物質 | 水質汚染 | PFAS対策技術 | イオン交換樹脂 | プラズマ分解 |
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