環境省は、「グリーンファイナンス市場の中長期的な発展に向けて:市場参加者に期待する取組事項」を公表した。これは、令和6年度以降に開催された「グリーンファイナンスに関する検討会」での議論を踏まえたものであり、国内外の市場環境の変化を受けて、グリーンファイナンスの推進を中長期的視点から再整理したものである。
グリーンファイナンスとは、環境改善を通じて国民の福祉や経済社会の基盤強化に資する金融システム・行動全般を指す。2024年時点で市場規模は約5兆円に達しているが、国際的な情勢変化や市場の成熟感が指摘される中、さらなる質的向上と拡大が求められている。
本資料では、グリーンファイナンスの意義として、事業者の脱炭素化・資源循環・自然再興への資金的支援を通じて、国民のウェルビーイング向上に寄与する点が強調されている。資金調達者にとっては事業成長や新規ビジネス機会の獲得、資金提供者にとっては投融資リスクの低減や収益機会の拡大など、個社レベルでのメリットも整理されている。
市場参加者への期待事項としては、既に取組が進んでいる主体には、継続的な資金調達や環境改善効果の可視化、インパクトレポーティングの深化などが求められている。一方、取組の着手段階にある主体には、メリットや事例の理解を深め、政府施策や支援制度を活用しながら市場参入を促す姿勢が求められている。また、アセットオーナー・銀行・保険会社・資産運用会社・証券会社・第三者評価機関など、役割に応じた具体的な行動指針も提示されている。環境省としては、インパクトレポーティングの事例集作成や「グリーンリスト」の拡充、ローン市場の発展に向けた施策検討、市場調査・分析、国際発信などを今後の重点取組として掲げている。
本資料は、グリーンファイナンスの社会的・経済的意義を再確認し、制度的・実務的な推進力向上に資する市場参加者の指針となるものである。
情報源 |
環境省 報道発表資料
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機関 | 環境省 |
分野 |
環境総合 |
キーワード | 資源循環 | 資金調達 | グリーンファイナンス | 脱炭素化 | グリーンボンド | グリーンリスト | 自然再興 | インパクトレポーティング | 資金提供者 | 金融行動 |
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