環境省は、令和7年3月に中央環境審議会へ諮問した「大気汚染物質に係る環境基準の見直し」について、令和7年12月11日付で第一次答申がなされたことを公表した。答申では、光化学オキシダントの新たな環境基準として、8時間値0.07ppm以下、年間平均0.04ppm以下を設定する方針が示されている。従来の1時間値基準から長期曝露を考慮した指標への転換を図り、健康影響と植物影響の抑制を両立させる狙いである。
同省は、第一次答申とともに「微小粒子状物質・光化学オキシダント対策ワーキングプラン」も公表した。本プランは令和8年度から12年度までの5年間、PM2.5と光化学オキシダントの濃度低減を総合的に進めるものである。具体的には、令和8年度中にPM2.5の健康影響に関する知見を整理し、令和9年度にリスク再評価を行う方針を示している。さらに、NOxやVOCの排出削減を強化し、モニタリング体制の充実、排出インベントリの精緻化、生成機構の解明を進めるとしている。大気汚染物質の削減シナリオの策定にあたっては、気候変動対策とのコベネフィットを重視し、2050年ネットゼロの視点を取り入れることも特徴である。
科学的知見の充実では、二次生成粒子やアンモニア、森林火災の影響など新たな要因に関する研究を推進するほか、越境汚染対策として日中韓三カ国政策対話やEANETを通じた国際協力を強化する。半球規模でのバックグラウンド濃度上昇への対応として、国際機関との連携による知見収集も計画されている。
| 情報源 |
環境省 報道発表資料
|
|---|---|
| 機関 | 環境省 |
| 分野 |
大気環境 |
| キーワード | モニタリング | NOx | 国際協力 | VOC | 環境基準 | 光化学オキシダント | PM2.5 | コベネフィット | 第一次答申 | 排出インベントリ |
| 関連ニュース |
